看護師が意識しておきたい所作

看護師という職業は、医療技術だけでなく、患者さんとの信頼関係を築くことも大切な仕事です。看護師の何気ない所作や振る舞いも、患者さんはよく見ています。
特に、患者さんのお部屋に入る際の振る舞いは気をつけるべきポイントです。ノックは必ず3回行い、「失礼します」と穏やかな声でお声がけしましょう。このときは、急いでいても慌ただしい様子を見せないよう、落ち着いた動作を心がけてください。また、患者さんのベッドサイドに近づく際は、急な動きで驚かせないよう、少し距離を置いてから徐々に近づくことを意識します。

患者さんとお話しする際の立ち位置も重要です。
真正面から話しかけると威圧感を与えてしまう可能性があるため、少し斜めの位置に立ち、視線を合わせる高さまで姿勢を低くすることで、親しみやすい雰囲気を作ることができます。また、忙しい業務の中でも、患者さんに話しかけられたときは、その場で立ち止まって体を向け、相手の方をしっかりと見て話を聞くようにしましょう。

また、手の動きも患者さんはよく見ています。説明をする際は、両手を前で軽く組むか、体の横に自然に添えるようにしましょう。落ち着きのない手の動きは、不安な印象を与えてしまいます。患者さんの体に触れる際は、必ず声をかけてから優しく触れるようにし、急な動作は避けてください。

表情も患者さんへの印象を左右する重要な要素です。看護師がマスク着用をしている場合、目元の表情がより重要になっています。眉間にしわを寄せず、優しい眼差しを意識することで、温かみのある印象を与えることができます。たとえ忙しく疲れていても、患者さんと接する時は、心を込めた笑顔を忘れないようにしましょう。